シニアのわんちゃんと飼い主さんが、ゆっくりゆっくりおさんぽしている光景はよいものだ。
長年熟成された愛情が伝わってくる。
シーズーのちこさんとおかあさんもそういうふたり連れだ、と思っていた。
ところが、親しくなり言葉をかわすようになると、驚きの事実が判明した。
「わたし、ネコ派なんです。特に小型犬はそんなに好きじゃない」
ちこさんのおかあさんは、さばさばとそう言うのだ。
ではなぜちこさんを飼うことになったのか。
それは、ご主人の亡きお父様の愛犬だったから。
ご主人のご両親の介護が終わったところ、ちこさんがひとり残された。そのとき既に 14 才。
そんなに老い先長くはないだろうという予想に反し、ちこさんのおかあさんは、それから 5 年にわたってちこさんの面倒をみている。
このたび、19 才を迎えたちこさんは、目が見えなくなり、おむつが必要になり、徘徊したり要求吠えをしたりで、おかあさんは目が離せない。
「犬用のおむつって、馬鹿みたいに高いの。なんでだろう」
ため息をつきながらも、おかあさんは高価なおむつや缶詰を用意し、シーズーという犬種に欠かせないカットにも通い、まめに通院している。
犬きらいというのが本当だとは思えないけど (だってとても献身的に世話をしている)、いきなり引き取った老犬の介護を 5 年もするのはなかなか大変だ。
飼い主に先立たれ、行き場をなくして保健所に収容される犬も珍しくないと耳にする。
優しいおかあさんに引き取られたちこさんは、ラッキードッグだ。
「見た目ほど、よぼよぼじゃないんですよ。だっこしてみてください」
促されてだっこしてみたちこさんの身体は、たしかにずっしり中身が詰まっている。
食欲がまったく衰えず、心臓も獣医さんがおどろくほど丈夫らしい。
「これは、成人式を迎えるまでがんばれるかもしれませんね」
「いやだー!」と笑いながら、おかあさんはちこさんをだっこして、ゆっくりゆっくりおうちへ帰って行った。
ちこさんのお耳には、可愛いリボン。
ホリー 4 才。ちこさんから見れば赤子も同然。
爪切りと肛門腺絞りで訪れた動物病院で、先生が 4 才のお祝いのコスプレ写真を撮ってくれました。よもやハロウィンが終わったのにコスプレするとは思わなかったので、油断してた。ホリーさん、安定の舌の長さ。
ホリーがかぶっている「4」才用のクラウン、先生のコスプレコレクションには、1 ~ 20 才用まで取り揃えられているという。おそるべし。