ホリーは、初めの頃は、シニアの子から、ホリーの頭くらいの大きさしかない小さな子まで、犬と見れば相手かまわず、すごい勢いで飛びつこうとしていた。(ホリーの姿を見ると、「勘弁して欲しいわん」と言わんばかりに、あからさまにげんなりした顔をするわんちゃんまでいた。)
それがいつしか、好みのわんちゃんだけを遊ぼう!と誘うようになった。ホリーも空気が読めるようになったのだ。
しかし、最初の 1 年の勢いは、今では感じられなくなった。
仲良く遊んでいた同じ年頃の幼馴染みたいなお友達とは、今でも会えば嬉しそうにするけれど、ひとしきり組み合ってはしゃいだ後は潮が引くようにテンションが下がって、お互いにそっぽを向いていたりする。今までは仲良く遊べていたのに、急にガウっとするようになった子もいた。
ホリーもふくめて、みんなおとなになってしまったのだろう。
そんなホリーには、小さい頃から変わらずだーいすきなボーイフレンドがいる。
いつも陽気に笑っている太陽みたいな男の子、ダンボくんだ。
ダンボくんとは、お散歩の時間が合わなくて、なかなか会うことができないけれど、たまーに会えたときにはもう、最大級の喜びを表現して突撃してゆく。そして、いつまでも、いつまでも、一緒に転げまわって遊んでいたい様子。ダンボくんは、ホリーにとっては、特別な男の子みたいだ。
会えない日にも、以前にダンボくんと出会った曲がり角にくると、「あっちからダンボくんが来るんだよ」「おかぁさん、もうちょっと待ってみようよ」とでも言うように、しきりとダンボくんの家の方向を気にしながら脚をつっぱって動くことを拒否する。
「そうそういつも、いいことはないよ」と言い聞かせ、引きずるようにして帰って来なければならない。だいすきな男の子に会いたくて、会いたくて、せつないホリーのおとめごころがいじらしい。
だから、昨日、夕方のおさんぽでやっとまたダンボくんに会えて、バターになっちゃうんじゃないかってくらいぐるぐる回って (飼い主同士は、絡まらないように必死でリードを持ち変え続ける)、公園の中を跳ねまわって、転げまわって、嬉しそうで、楽しそうなホリーを見て、おかーさんはとってもうれしかったんだよ。
たとえ、前日に奮発して(動物病院で)シャンプーしたばっかりだったとしてもね。
うそじゃないよ。
よかったね、ホリー。
またすぐに会えるよ。きっと。
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